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永井 智*; 藤村 紀文*; 伊藤 太一郎*; 白石 健介
Japanese Journal of Applied Physics, 30(5A), p.L826 - L829, 1991/05
被引用回数:5 パーセンタイル:34.21(Physics, Applied)単結晶のMgO基板上に鉛を添加しないBi-Sr-Ca-Cu-Oのアモルファス薄膜をスパタ蒸着し、865C2時間の熱処理によって形成される高T相の体積分率をX線回折によって調べた。基板を加熱しないで蒸着したアモルファス膜をそのまま、熱処理すると、高T相は87%に達するが、熱処理中に薄膜は基板から剥離する。基板の温度を300Cにして蒸着した薄膜は熱処理中に剥離しないが、その熱処理によって得られる高T相の体積分率は43%に低下する。基板を300Cに加熱して蒸着したアモルファス膜に200keVのNeイオンを室温で110cm照射した後、結晶化の熱処理を行うと高T相の体積分率は69%まで向上する。基板の温度を300Cにして蒸着したアモルファス膜を800Cで1時間熱処理し、低T相を形成させた後、865Cで2時間の熱処理を行うと高T相はX線回折によって検出できなかった。
高村 三郎; 関野 甫; 松島 秀夫; 小桧山 守*; 星屋 泰二; 住谷 圭二*; 来島 秀次*
Japanese Journal of Applied Physics, 30(1A), p.L18 - L20, 1991/01
被引用回数:10 パーセンタイル:52.51(Physics, Applied)Y-Ba-Cu-OおよびBi-Sr-Ca-Cu-O焼結体を約60Cで1.810n/cmまで中性子照射を行い、照射による磁化の変化を調べた。外部交流磁場によって履歴を生ずるが、その大きさから臨界電流を算出することができる。臨界電流は照射によって増加する。110n/cmの照射量で約2倍に達し、照射量の増加に伴って臨界電流は減少する。これは中性子照射によって生成したカスケード損傷領域が互いに重複して磁束線に対するピン止め効果が減少したためである。
星屋 泰二; 高村 三郎; 有賀 武夫; 小桧山 守*
Japanese Journal of Applied Physics, 29(8), p.L1443 - L1445, 1990/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.75(Physics, Applied)室温でヘリウム照射した多結晶Bi-Sr-Ca-Cu-O系薄膜について磁場中における電気抵抗の温度依存性を抵抗法を用いて測定した。その結果、低抵抗領域での遷移温度の拡がりは照射フルエンスの増加とともに抑制された。また、実効活性化エネルギーはイオン照射により増加した。これらの変化はイオン照射で導入されたピンニング・センターの存在に起因している。
加藤 輝雄; 数又 幸生; 前田 裕司
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.169, p.337 - 340, 1990/00
酸化物超電導体Bi-Sr-Ca-Cu-O(BSCCO)は、85kと110kの低温相および高温相と呼ばれる2つの相が混在する。しかし、Pb添加により高温相を多く含む試料が得られる。Biは3価と5価が混在するといわれており、Pb添加によりその価数が調整されるものと考えられる。BSCCOではBi、BiによりCuの価数に影響すると考えCuOとCuOを用いた場合の超電導特性、およびAg添加による超電導特性について調べた。BiSrCaCu O(x-2,3,4,5)において、CuOを用いた場合にはCu量の増加により高温相が減少するが。CuOを用いた場合には高温相が増加する。一方、BiSrCaCuO+Ag(x=0,,1,1.5,2)ではAg量xが1.5,2.0で高温相が大くなる。これらの結果からBCCOの高温相はCuによるものと考えられる。
星屋 泰二; 高村 三郎; 有賀 武夫; 小桧山 守*
Japanese Journal of Applied Physics, 28(8), p.L1352 - L1354, 1989/08
被引用回数:5 パーセンタイル:34.51(Physics, Applied)高温超電導体Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜を室温で400keV Heイオン照射し、臨界電流の温度依存性を測定した。臨界電流は常電導状態での電気抵抗に逆比例しており、照射によって電気抵抗が増加するのに伴い、臨界電流は逆比例して減少する。臨界電流は超電導相-常電導相の羽結合相によって決められることを示す。照射後400Cに昇温すると臨界電流は元の状態に向って回復していく。
高村 三郎; 星屋 泰二; 有賀 武夫; 小桧山 守*
Japanese Journal of Applied Physics, 28(8), p.L1395 - L1397, 1989/08
被引用回数:3 パーセンタイル:23.68(Physics, Applied)Bi-Sr-Ca-Cu-O超電導薄膜を室温で400KeV Heイオン照射し、照射後の昇温に伴う臨界温度の回復過程を調べた。200~500Cの焼鈍によって臨界温度および常電導状態での電気抵抗は急激に回復する。超電導110K相は、600C焼鈍によって成長する。焼鈍する時の雰囲気として空気中で行ったとき、真空中で行ったときの差違を議論する。
高村 三郎; 有賀 武夫; 星屋 泰二
Japanese Journal of Applied Physics, 28(7), p.L1118 - L1120, 1989/07
被引用回数:13 パーセンタイル:59(Physics, Applied)Bi-Sr-Ca-Cu-O系高温超電導体薄膜を400KeV-Heイオン照射し、電気抵抗法による臨界電流の磁場中測定を行った。照射欠陥による磁束線のピンニング強さを調べるための一つの実験手段として、磁場中冷却の場合と零磁場冷却の場合について測定を行ったところ、照射したものは著しい差が現れた。これらの実験から照射により生成した磁束線のピンニング強さに分布があることを確認した。またピンニング強さを求めた。
有賀 武夫; 高村 三郎; 星屋 泰二; 小桧山 守*
Japanese Journal of Applied Physics, 28(6), p.L964 - L966, 1989/06
被引用回数:24 パーセンタイル:87.78(Physics, Applied)Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜を400keVのHeイオンで室温照射すると超電導転移温度Tc(R=0)が92Kから30度低下(110/mの照射量で)、常伝導抵抗R(T=130K)が4倍に増加(同上の照射量)する。一方、Tc(Onset)はこの照射量ではほとんど変化しない。85Kでの照射では、室温照射に比べて、Tc(R=0)の著しい低下とR(T=130K)の増加が観測された。照射後300Kまで昇温するとR(T=130K)の減少(回復)がみられるが、回復量は照射量の増加とともに減少する。はじき出し損傷のしきいエネルギーを25eVと仮定しTc(R=0)の減少率を求め、Y-系セラミック超伝導薄膜での照射(イオン、中性子、電子線)によるTc(R=0)と比較すると、本実験で用いたBi-系薄膜の減少率が大きく、照射損傷に対しY-系より感受性が高いことを確めた。